ちいさな読書部第19回『インディゴ』開催のお知らせ

日時:11月27日(土)15:30-17:30

場所:オンライン

軽快な語り口と不気味さが全篇を覆い、独特な仕掛けがさまざまな読みを可能にする。既存の小説の枠組みを破壊して新しい文学の創造を目指した、神童クレメンス・J・ゼッツの野心溢れる傑作長篇。(国書刊行会の課題図書紹介ページより)

ちいさな読書部第19回は、クレメンス・J・ゼッツの『インディゴ』を読む会です。

ゼッツは1982年オーストリア、グラーツ市生まれ作家で、小説や短篇集、詩集のほか、演劇や映画の脚本、英米文学、エスペラント語文学の翻訳など多方面で活躍しています(国書刊行会の課題図書紹介ページより)。管理人が本書を読んで感じたのは、書かれてない解答というより、空白として残されている部分があちこちにあるのではないかということです。読んだ人同士で集まってそれぞれの読み方について語り合えれば、より楽しめるのではないかと思います。

本会はZoomを使って実施します。接続方法についてはこちらを、Zoomの使い方についてはこちらをご覧ください。初めてセットアップする場合のテスト方法はこちら

オンラインミーティングが初めてという方は、ヘッドセットやマイク付きイヤフォンのご利用をお勧めします。有線の製品なら1000円程度から入手できます。

お申し込みはPeatixのこちらのページで受け付けています。

お願い:本会は少人数でゆったり話し合うタイプの読書会です。会の運営に響きますので、ご参加の目処が立ってからお申込みいただきますようお願いいたします。無断欠席された方は今後の会にはご参加いただけませんので、ご承知おきください。

ちいさな読書部第18回『波』活動報告

本活動報告には課題図書の結末について触れる箇所がありますので、未読の方はご注意ください。

今回の課題図書はウルフ『波』でした。

今回は読むのに時間がかかった、難しかったという方が多かったです。登場人物の区別がつきにくかったり、彼らの状況がわからなくなったり。登場人物たちの独白にひたすら耳を傾ける、めったにない読書体験になりました。とはいえ読書会が終わるころには「あらためて読み返したい」とおっしゃる方が何人も出て、みんなで読んでみる良さがある作品だったといえそうです。6人の人生行路だけではなく、背景として現れるロンドンやイギリスの田舎の描写の美しさ、自然や人物に対する感情の細やかさ、豊かさを堪能したという声も多く聞かれました。

参加者の方のコメントの一部を以下に。

  • 筆致は精緻ながら登場人物に泥臭いところがあって愛着がわいた。
  • 老いの書き方が暗くもの悲しいのはウルフが老いを恐れていたから?
  • ウルフは書けなくなるバーナードに自分を重ねていたのではないか。
  • 題名について:
    • 反復だが一つ一つが違う波=人生。
    • 波=鏡。響き合い。記憶。人との距離。
    • 連続しているが変化していく=生活。
  • パーシヴァルについて:
    • 肉体・若さの象徴。
    • ピラミッドのトップにいる存在。神話化されている。パーシヴァルを置くことで6人の葛藤が際立つ。
    • 自分の言葉を語れない。幽霊のよう。
  • バーナードがすべて書いたのでは。彼はパーシヴァルになれないからパーシヴァルとして語れなかったのでは。
  • 鍵括弧の用法の謎。閉じない括弧と閉じる括弧があるが法則がわからない。

参加者の今回のおすすめ・話題になった本はこちら。

第19回の課題図書はクレメンス・J・ゼッツ『インディゴ』、11月27日(土)15:30からの開催です。申し込みについては、こちらのブログで別途ご案内します。

ちいさな読書部第34回『老人と海』開催のお知らせ

日時:6月1日(土)15:30-17:30 場所:オンライン かつて読んだ人も、初めて読む人も。いま、歴史的名作を「新解釈」で! 老漁師サンティアーゴには、もう84日間も釣果がなかった。幼い頃から老人の見習いをしていたマノーリンは、一人前の漁師となったいまも老人を慕い、生活を気づ...