ちいさな読書部第7回『われら』開催のお知らせ



日時:11月30日(土)15:30-17:30
場所:神田のカフェ(いつもと会場が異なります)
費用:1000円程度

ちいさな読書部第7回は、エフゲーニー・イワーノヴィチ・ザミャーチン『われら』を読む会です。

ザミャーチン[1884-1937]は、造船技師として働きながら小説を書いていたロシア、ソ連の作家です。1921年に完成した『われら』をはじめとするロシア革命後の世界への風刺を含む作品群が国内の痛烈な批判を浴び、32年には亡命を余儀なくされ、不遇の内に生涯を閉じました。唯一の長編『われら』は第二次世界大戦後にジョージ・オーウェルによって再発見され、世界中で高く評価されています(光文社の課題図書紹介ページより)。

課題図書は、オーウェル『一九八四年』、ハクスリー『すばらしい新世界』に先行するディストピア小説に数えられています。ソローキンの『青い脂』や『テルリア』を翻訳されている松下隆志さんの新訳で、20世紀を代表するディストピア小説を読んでみたいと思います。

課題図書以外に、最近読んで面白かった本、オールタイムベストの本など、読書部員に紹介したい本がありましたらぜひお持ちください。

費用は会場費と1ドリンク合わせて1000円程度の予定です。また、読書会のあと、懇親会があります(予算5000円程度)。最近読んでよかった本、好きな作家などについてお話ししながらの夕食会です。参加の有無について、申し込みフォームでご指定ください。

お願い:本会は定員8名の小さな会ですので、無断欠席はもちろん、開催日間近のキャンセルは運営に響きます。開催日にご予定が入る可能性がある方は、読書会にご参加いただける見通しがついてからのお申し込みをお願いいたします。

ちいさな読書部第6回『掃除婦のための手引き書』活動報告

今回の課題図書はルシア・ベルリン『掃除婦のための手引き書』でした。


ベルリンの見る力の強さに感嘆し、そのように優れた見る人になった経緯に思いをはせる読書会になりました。ベルリンの視線はフラットで対象から常に一定の距離を取っています。それは距離を取らざるを得なかった過酷で濃密な生を生き抜くための手段であったかもしれません。

ベルリンの作品は何も押し付けてきませんが、なにか読み手を鼓舞するところがあります。経験から編み上げられた強い光を放つ数々の短編を、もっと読みたいという気持ちでいっぱいです。

連想した作家として、小島信夫、伊藤比呂美、江國香織、武田百合子、中上健次など、日本人を挙げる方が多かったのが印象に残りました。現在本書は5刷だそうですが、ベルリンの短編には日本人にとってとくに馴染みやすい要素があるのかもしれませんね。

参加者の方のご感想の一部を以下に。
  • ひとりの人がさまざまな角度から語られている
  • とにかく観察することで自分を守っていたのでは
  • 刑務所や介護の現場のリアリティが優れている
  • アルコール中毒者たちの優しさがせつない
  • プロテスタントの家からカトリックの学校に通わされるのは大変な負担だったのでは
  • ジョンおじさんは実在したのか、ジョンおじさんの後半生が完全な創作でなければいいのにと思う
  • 4人の息子と母を中心に描いた短編があるなら読みたい
参加者の方の今回のおすすめ本はこちら。


第7回の課題図書はエフゲーニー・イワーノヴィチ・ザミャーチン『われら』、11月30日(土)15:30からの開催です。申し込みについては、こちらのブログで別途ご案内します。

ちいさな読書部第34回『老人と海』開催のお知らせ

日時:6月1日(土)15:30-17:30 場所:オンライン かつて読んだ人も、初めて読む人も。いま、歴史的名作を「新解釈」で! 老漁師サンティアーゴには、もう84日間も釣果がなかった。幼い頃から老人の見習いをしていたマノーリンは、一人前の漁師となったいまも老人を慕い、生活を気づ...