ちいさな読書部第20回『ラ・カテドラルでの対話』開催のお知らせ

日時:1月29日(土)15:30-17:30

場所:オンライン

独裁者批判,ブルジョアジー批判,父と子の確執,同性愛――.居酒屋ラ・カテドラルにおける二人の人物の会話をとおして,独裁政権下ペルーの腐敗しきった社会の現実を描く初期の代表作.「これまでに書いたすべての作品の中から一冊だけ,火事場から救い出せるのだとしたら,私はこの作品を救い出すだろう」(バルガス=リョサ).

(岩波書店の課題図書紹介ページより)

ちいさな読書部第20回は、マリオ・バルガス=リョサの『ラ・カテドラルでの対話』を読む会です。

次回は、2021年11月25日にアカデミー・フランセーズの新会員に選出されたことを記念して、マリオ・バルガス=リョサを読みます。バルガス=リョサはラテンアメリカ文学の代表的な作家で、数多くの作品が翻訳されています。本読書会では毎年1月に複数巻の長めの小説を読むのが恒例ですので、文庫で2冊の『ラ・カテドラルでの対話』を選びました。上巻の中盤までは読みづらいと噂の本作ですが、読書会をきっかけに読破してみてはいかがでしょう。

管理人は岩波文庫の旦敬介訳で読むつもりですが、集英社の『世界の文学』第30巻、『ラテンアメリカの文学』第17巻としても出版されています。お好みの版でご参加ください。

お申し込みはPeatixのこちらのページで受け付けています。

お願い:本会は少人数でゆったり話し合うタイプの読書会です。会の運営に響きますので、ご参加の目処が立ってからお申込みいただきますようお願いいたします。無断欠席された方は今後の会にはご参加いただけませんので、ご承知おきください。

ちいさな読書部第19回『インディゴ』活動報告

今回の課題図書はゼッツ『インディゴ』でした。

今回は、全員で「よくわからなかった、どう読みましたか?」と尋ね合う読書会になりました。理解のための道筋が見えないように設計されており、わからなさを共有する楽しさがある作品です。真相的な結末は存在せず、自分から参加しないと読み進む感覚が得られません。読み手がルールを決めてコンテンツを遊ぶゲーム性を楽しめるかどうかが鍵といえそうです。

参加者の方のコメントの一部を以下に。

  • 気持ち悪さについて
    • 潔い気持ち悪さで、そこを新しく感じた。
    • 気持ちが悪いのだが居心地が良い。
    • 地獄ではないが煉獄の感覚があった。
  • わからなさについて
    • 思いもよらない本が好きなので面白かった。
    • たくさんの情報が提供され、読み手がどれかには引っかかる。各人の中で別の話が派生していく。
    • 人間にとって、何をするのかわからない人間は一番気持ち悪い。
  • 作中のコミュニケーションについて
    • 自分が言いたいことは相手に通じない、通じないまま対話し続けている。
    • 動画サイトやはてな匿名ダイアリーのコメントを想起した。
    • だれもがその人のフィルターを通して独自な読み方をする、その点を強調した本。
  • クレメンスとロベルト
    • 類似点と真逆の点が混ざり合っている。ドッペルゲンガー的存在?
    • クレメンスは人間の思考を理解できない。ロベルトの方がまだ社会性がある。
    • ユリアはクレメンスのイマジナリーガールフレンドと思って読んでいた。
    • 二人に対して批判も肯定もないのが新鮮だった。
    • 正常と異常の境目のなさを感じた。
  • フォーマット・スタイルについて
    • 装丁が良い(カバーに著者の画像が浮かび上がるようになっているそうです)。
    • (著者と同世代の方からのご意見)引用されるものや音楽の使い方に、同時代の作品を読んでいる感覚があった。
    • 紙と電子で読み心地が異なる。物理的な重さが内容の印象に影響を与える。

参加者の今回のおすすめ・話題になった本や映画はこちら。

次回の課題図書はマリオ・バルガス=リョサ『ラ・カテドラルでの対話』、1月29日(土)15:30からの開催です。申し込みについては、こちらのブログで別途ご案内します。

ちいさな読書部第34回『老人と海』開催のお知らせ

日時:6月1日(土)15:30-17:30 場所:オンライン かつて読んだ人も、初めて読む人も。いま、歴史的名作を「新解釈」で! 老漁師サンティアーゴには、もう84日間も釣果がなかった。幼い頃から老人の見習いをしていたマノーリンは、一人前の漁師となったいまも老人を慕い、生活を気づ...