ちいさな読書部第13回『隔離の島』開催のお知らせ

日時:11月28日(土)15:30-17:30

場所:オンライン

フランスからモーリシャスへ向かう船内で天然痘が発生し、一行は目的地近くの島で40日間隔離されることに。医薬品や食品も不足するなか新たな発症者が出て、乗客たちは死と隣り合わせの極限状態を生きる。島の自然、宗主国と植民地、被差別民、疫病、そして若者たちの恋が織りなす豊かで複雑なタピスリーのような人間ドラマ。ノーベル賞作家自身の祖先の歴史に素材を汲み描いた代表的三部作の一作。(筑摩書房の課題図書紹介ページより)

ちいさな読書部第13回は、ジャン=マリ・ギュスターヴ・ル・クレジオ『隔離の島』を読む会です。

COVID-19により暮らしが大きく変わってから半年以上になります。この間、感染症をめぐる社会の反応や自分の感じ方についていろいろ思うところがあった方も多いと思います。カミュの『ペスト』、サラマーゴの『白い闇』、新しく出版されたものではチャペックの『白い病』など、疫病をテーマにした小説はさまざまですが、今回はル・クレジオの『隔離の島』を取り上げることにしました。文庫で640ページと長大な物語を、なかなか終わらない「新しい生活様式」の暮らしの中でじっくり読んで、みなさんとお話しできればと思います。

本会はZoomを使ってオンラインで実施します。接続方法についてはこちらを、Zoomの使い方についてはこちらをご覧ください。初めてセットアップする場合のテスト方法はこちら

オンラインミーティングが初めてという方は、ヘッドセットやマイク付きイヤフォンのご利用をお勧めします。有線の製品なら1000円程度から入手できます。

ちいさな読書部第12回『バルタザールの遍歴』活動報告

本活動報告には課題図書の結末について触れる箇所がありますので、未読の方はご注意ください。

今回の課題図書は佐藤亜紀『バルタザールの遍歴』でした。

今回はふだんよりぐっと少ない人数での開催になりましたが、佐藤亜紀大好きという方にも今回の読書会をきっかけに初めて佐藤亜紀を読んだという方にもご参加いただき、議論が広がる2時間になりました。肌寒い秋の午後に豊かな時間を共有していただいた参加者の皆さんにお礼申し上げます。

双子たちの弱さは欠点ではあるけれど魅力でもありました。彼らを魅力的に感じるのはなぜなのか、自意識から解放されるための飲酒について、彼らの転落は終わったのか、それとも続くのか、自分が好き・嫌いであるということについて、などなど、いつにもましてじっくりお話しできました。

参加者の方のコメントの一部を以下に。

  • 手記の意味は何か。
    • 書いてあることが本当かどうかはわからない。
    • 人生仕切り直しのための振り返りでは。
  • 双子に比べ兄妹は異能を有効活用していたのが対照的。
  • 双子には自分の不甲斐なさに耐えられない純粋さがあった。
  • 貴族の誇りを失えない彼らは戦後をどのように生きただろうか(これについては転落し続けた、回復して幸せになった、と意見が割れました)。
  • マグダと双子は秘密を共有していたから結びついていたのであって、仮に結婚していたとしても年月が経つうちにうまくいかなくなっていたのでは。
  • クレールやパオラなど、行きずりの女たちが魅力的だった。
  • 双子は建設的なヒモになれたのでは。

参加者の今回のおすすめ本・話題になった本はこちら。

第13回の課題図書はル・クレジオ『隔離の島』、11月28日(土)15:30からの開催です。申し込みについては、こちらのブログで別途ご案内します。

ちいさな読書部第34回『老人と海』開催のお知らせ

日時:6月1日(土)15:30-17:30 場所:オンライン かつて読んだ人も、初めて読む人も。いま、歴史的名作を「新解釈」で! 老漁師サンティアーゴには、もう84日間も釣果がなかった。幼い頃から老人の見習いをしていたマノーリンは、一人前の漁師となったいまも老人を慕い、生活を気づ...