ちいさな読書部第32回『回想のブライズヘッド』開催のお知らせ

日時:1月27日(土)15:30-17:30

場所:オンライン

豪壮な邸宅が聳える侯爵家の所領ブライズヘッド。その邸の次男で学生時代の友をめぐる、華麗で苦悩に満ちた青春の回想。

第2次大戦中、物語の語り手ライダーはブライズヘッドという広大な邸宅の敷地に駐屯する。「ここは前に来たことがある」。この侯爵邸の次男でライダーの大学時代の友セバスチアンをめぐる、華麗で、しかし精神的苦悩に満ちた青春の回想のドラマが始まる。20世紀イギリスの作家ウォー(1903-66)の代表作。(岩波書店の課題図書紹介ページより)

ちいさな読書部第32回は、 イーヴリン・ウォーの『回想のブライズヘッド』を読む回です。お正月休みにじっくり小説を楽しむことをテーマに、本読書会では毎年1月に複数巻の長めの小説を読むのが恒例になっています。ニューズウィーク誌により世界文学ベスト100の1冊に挙げられた本書で、お正月休みを過ごしてみませんか。本書を原作とする映画『情愛と友情』も、現在Amazon Prime Videoで視聴できるようです。

管理人は岩波文庫の小野寺健訳で読むつもりです。お好みの版でご参加ください。

お申し込みはPeatixのこちらのページで受け付けています。

お願い:主催者を含め定員8名の小さな会です。運営に響きますので、確実にご参加いただけることがおわかりになってからのお申し込みをお願いいたします。直前でもたいていは空席がありますので、仮押さえ目的での申し込みはご遠慮ください。

ちいさな読書部第31回『知と愛』活動報告

本活動報告には課題図書の結末について触れる箇所がありますので、未読の方はご注意ください。

今回の課題図書はヘルマン・ヘッセ『知と愛』でした。

今回は、「好き」派と「わからない」派で分かれる会になりました。ゴルトムントの女性遍歴やストーリー展開にリアリティを感じず、乗り切れずに読んだ方も、二人の友情、自然描写や、読後感の美しさを味わって読んだ方もいたからです。みなさんの意見を聞いて納得したり新しい視点を得たりするなかで管理人が思ったのは、本書は「人はその才を生かす場所に身を置くべき」というヘッセの思いが小説の形をとったものであり、その信念のために唯一愛する者の背中を押す友情のうつくしさの表れであるということでした。

話題の一部を以下に。

  • 行って帰ってくる構成になっており、最初と最後はナルチスとゴルトムントの対話により状況が整理される。気持ちよく読めた。
  • 女性が人間扱いされない、人としての描写がない。
  • ホモソーシャルな小説ではあると感じた。
  • ゴルトムントは放浪はしたものの、生き生きとしており、もがいているというより自分の欲望を理解していた。他者に対していつも前向きなので許されている。
  • ゴルトムントが美の理解者になるための試練として、清濁を併せ飲む放浪の旅が必要だったのでは。
  • ゴルトムントとナルチスは本来一人の人間なのではないか。
  • ゴルトムントはナルチスに「母がなくてどうやって死ねるだろう」と言い置いて亡くなった。そこからナルチスの中に新しい何かが生まれる予感を残して終わっている。
  • ゴルトムントへの母への執着がわかる/わからない(これは男性と女性でかなり納得感が違うポイントでした)。

参加者の今回のおすすめ・話題になった本はこちら。

次回の課題図書はイーヴリン・ウォー『回想のブライズヘッド』、1月27日(土)15:30からの開催です。申し込みについては、こちらのブログで別途ご案内します。


ちいさな読書部第34回『老人と海』開催のお知らせ

日時:6月1日(土)15:30-17:30 場所:オンライン かつて読んだ人も、初めて読む人も。いま、歴史的名作を「新解釈」で! 老漁師サンティアーゴには、もう84日間も釣果がなかった。幼い頃から老人の見習いをしていたマノーリンは、一人前の漁師となったいまも老人を慕い、生活を気づ...