ちいさな読書部第4回『わたしは英国王に給仕した』開催のお知らせ



日時:5月25日(土)15:30-17:30
場所:新宿のカフェ
費用:1000円程度

ちいさな読書部第4回は、ボフミル・フラバル『わたしは英国王に給仕した』を読む会です。

フラバルは、社会主義体制下のチェコスロバキアで検閲の圧力を受けながらも次々と傑作を生みだした、20世紀後半のチェコ文学を代表する作家です。民主化後はあらためて全作品が出版され、国内で大いに支持されるとともに世界的にも評価されています。

課題図書には、「ナチス占領から共産主義へと移行するチェコを舞台に、給仕人から百万長者に出世した主人公の波瀾の人生」(河出書房新社の紹介ページより)が描かれています。ほら話のようなカラフルなエピソードに溢れた、可笑しくて哀しい給仕人一代記を読んでみませんか。

課題図書は文庫またはハードカバーで手に入ります。お持ちの版でご参加ください。

課題図書以外に、最近読んで面白かった本、オールタイムベストの本など、読書部員に紹介したい本がありましたらぜひお持ちください。

お申し込みはPeatixで受け付けています。

ちいさな読書部第3回『アレフ』活動報告

今回の課題図書はホルヘ・ルイス・ボルヘス『アレフ』でした。


初めに課題図書について参加者の皆さんに一言感想をうかがったところ、「とにかく読みづらい」「読めば読むほどわからなくなる」「何を話せばいいのかわからない」と先行きの危ぶまれるフレーズが飛び交いましたが、終わってみれば2時間たっぷり『アレフ』について語り合う会になりました。ボルヘスといえば「無限」「永遠」がキーワードに挙げられますが、皆さんの受けた印象を共有してみると、不完全で限られた存在である人間の姿が浮かび上がる短篇集でもありました。

参加者の方のご感想の一部を以下に。
  • 『伝奇集』より『アレフ』のほうがイメージが浮かぶので読みやすい
  • 「エンマ・ツンツ」が好き。嫌な気持ちになりながらも、女性がやってのけるカタルシスがある
  • 「アレフ」は、人間は忘れるから生きていける、失うから成功できるという話なのではないか
  • 見えないものが本質であり、真実には到達できない
  • 「アレフ」は、哲学と人間の日常が並列してただ置いてあるところが面白い
  • 小説内の"アレフ"はゲームのアイテムのようで、現代的な短編だと感じた
  • ボルヘスは任侠ものが好き
  • 「ドイツ鎮魂曲」の語り手は狂人か否か、どうしたら我々は彼と対話できるか、考えさせられた
ある人にとっては退屈な短編が、別の人にとってはチャーミングだったりコメディだったりして、万華鏡のような短篇集でした。ボルヘスは「後期の小説は読みやすい」「エッセイはイギリス文学への愛があふれていて面白い」とのことです。この読書会の後も読んでいきたい作家になりました。

参加者の方の紹介本はこちら。毎月毎月新しい本が発売される中、古い本にはなかなか出会えないので、読まれた方に直接共有してもらえるのはありがたいですね。



第4回の課題図書はボフミル・フラバル『わたしは英国王に給仕した』、5月25日(土)15:30からの開催です。申し込みについては、こちらのブログで別途ご案内します。

ちいさな読書部第34回『老人と海』開催のお知らせ

日時:6月1日(土)15:30-17:30 場所:オンライン かつて読んだ人も、初めて読む人も。いま、歴史的名作を「新解釈」で! 老漁師サンティアーゴには、もう84日間も釣果がなかった。幼い頃から老人の見習いをしていたマノーリンは、一人前の漁師となったいまも老人を慕い、生活を気づ...