ちいさな読書部第15回『誓願』開催のお知らせ

日時:3月27日(土)15:30-17:30

場所:オンライン

ノーベル文学賞受賞を期待される巨匠が描く、傑作ディストピア文学続篇。ブッカー賞受賞!

『侍女の物語』から十数年。ギレアデの体制には綻びが見えはじめていた。政治を操る立場にまでのぼり詰めたリディア小母、司令官の家で育ったアグネス、カナダの娘デイジーの3人は、国の激動を前に何を語るのか。カナダの巨匠による名作の、35年越しの続篇。」(早川書房の課題図書紹介ページより)

ちいさな読書部第15回は、マーガレット・アトウッドの『誓願』を読む会です。

ディストピア小説として名高い『侍女の物語』を読んだのは10年前です。枠組みはSFですが、当時/今起きていることを別の角度で書いてあるように感じました。読んでいる最中は氷で背中をひやりひやりと触れてくるような怖さがあり、読み終わった後は、自分の見方を信じて生き延びるしかない、と思い詰めるような気持ちになりました。

2019年に『侍女の物語』の続編として『誓願』が発表されました。すでに読んだ方たちによると、『誓願』はシスターフッドの物語でもあるそうです。フィクションにおける連帯に、わたしたちの現実とのつながりや希望を見いだせるかどうか、みなさんとご一緒に読んでみたいと思います。『侍女の物語』の読了は必須ではありませんが、お読みいただくと本会をより楽しめると思います。

本会はZoomを使って実施します。接続方法についてはこちらを、Zoomの使い方についてはこちらをご覧ください。初めてセットアップする場合のテスト方法はこちら

オンラインミーティングが初めてという方は、ヘッドセットやマイク付きイヤフォンのご利用をお勧めします。有線の製品なら1000円程度から入手できます。

お申し込みはPeatixのこちらのページで受け付けています。

お願い:本会は少人数でゆったり話し合うタイプの読書会です。会の運営に響きますので、仮押さえ目的の申し込みは固くお断りいたします。無断欠席された方は今後の会にはご参加いただけませんので、ご承知おきください。

ちいさな読書部第14回『嵐が丘』活動報告

本活動報告には課題図書の結末について触れる箇所がありますので、未読の方はご注意ください。

今回の課題図書はブロンテ『嵐が丘』でした。

170年前に発表されてから世界中で読者を獲得してきた本書の魅力のひとつに、さまざまな解釈を可能にする開かれた作品であることが挙げられます。いままでの読書会では、ひとつの論点に対する意見がたいてい2、3種類に収斂することが多かったのですが、今回は参加者の数だけちがう読みがあり、古典のパワーを感じました。

「好きなキャラは?」という質問に対してとっさに意見が出ないくらい、登場人物すべてがアクが強い作品です。それなのに読むのをやめられない魅力が詰まった『嵐が丘』は、10年ごとに定期的に読書会をしても楽しめそうです。

参加者の方のコメントの一部を以下に。

  • 本書を恋愛小説として読みましたか?という質問に
    • 究極の恋愛小説、ヒースクリフが世界のどこにもキャシーを見てしまうのがせつない
    • 10代で読んだがおとなになってもよくわからない
    • むしろ肉親の愛なのでは
    • 理性が効かなくなる、恋愛の醜い部分にフォーカスしている
    • 愛というより執着。ただ恋愛は外から襲ってくるものであり、自分だけではどうしようもない
    • 憧れる種類の恋愛ではないが、刺さる人には刺さる
    • 恋愛小説だと思わずに最後まで読んだので、この質問に驚いた
  • いい人がだれもいない、激しくてみんな嫌な人たち
  • ヒースクリフが不器用で悲しかった。違うやり方が取れればキャサリンと幸せになれたのでは
  • ネリーが重要で、本書の魅力は彼女の語りがあってこそ。彼女は主人公たちにかかわっていないようでかかわっている
  • 穏やかにヒースクリフが旅立てたのはよかった
  • ヘアトンはなぜ最終的にあんなに善良な人物になれたのか
  • 現代日本人には理解しづらい階級の問題があった

参加者の今回のおすすめ・話題になった本・映像作品はこちら。

第15回の課題図書はアトウッド『誓願』、3月27日(土)15:30からの開催です。申し込みについては、こちらのブログで別途ご案内します。

ちいさな読書部第34回『老人と海』開催のお知らせ

日時:6月1日(土)15:30-17:30 場所:オンライン かつて読んだ人も、初めて読む人も。いま、歴史的名作を「新解釈」で! 老漁師サンティアーゴには、もう84日間も釣果がなかった。幼い頃から老人の見習いをしていたマノーリンは、一人前の漁師となったいまも老人を慕い、生活を気づ...