ちいさな読書部第9回『息吹』読書会は満席になりました

3月28日(土)『息吹』読書会は満席となりました。キャンセルが出た場合はTwitterアカウントからお知らせします。また、Peatixで「ちいさな読書部」をフォローすると、キャンセルが発生した場合に通知を受け取れます。

ちいさな読書部第9回『息吹』開催のお知らせ



日時:3月28日(土)15:30-17:30
場所:新宿のカフェ
費用:1000円程度

ちいさな読書部第9回は、テッド・チャンの『息吹』を読む会です。

テッド・チャン[1967-]は、中国系アメリカ人のSF作家です。課題図書『息吹』は、第一短篇集『あなたの人生の物語』から17年ぶりに刊行された最新の短篇集。「タイムトラベル、AIの未来、量子論、自由意志、創造説など、科学・思想・文学の最新の知見を取り入れた珠玉の9篇」(「BOOK」データベースより)を収めています。

『あなたの人生の物語』を読んだとき、自分の知らない角度から社会と人間のあり方に強い光を当てる本だと感じ、なにかとても透明で複雑な構造物を前にしたような気がしました。それ以来首を長くして待っていたのが『息吹』です。純文学寄りの選書が多いちいさな読書部ですが、ふだんSFを読む方もそうでない方も、「あらゆる生とその喪失の本質を、玲瓏たる工芸品のように造形した小説」(帯文より、飛浩隆)を読んでみませんか。

課題図書以外に、最近読んで面白かった本、オールタイムベストの本など、読書部員に紹介したい本がありましたらぜひお持ちください。

費用は会場費と1ドリンク合わせて1000円程度の予定です。

読書会のあと、懇親会があります(予算5000円程度)。最近読んでよかった本、好きな作家などについてお話しする会です。参加の有無について、申し込みフォームでご指定ください。

お願い:本会は定員8名の小さな会ですので、無断欠席はもちろん、開催日間近のキャンセルは運営に響きます。開催日にご予定が入る可能性がある方は、読書会にご参加いただける見通しがついてからのお申し込みをお願いいたします。

ちいさな読書部第8回『ジェイン・エア』活動報告

本活動報告には課題図書の結末について触れる箇所がありますので、未読の方はご注意ください。

今回の課題図書はシャーロット・ブロンテ『ジェイン・エア』でした。


読むたびに新しい気づきがある、読ませる小説です。10代で初めて読んだときは古めかしい恋愛小説と感じたけれど、大人になってから読み返したら印象が変わったというご意見がありました。読書部管理人は今回の読書会のために初めて読んだのですが、学生時代にも読んでいたら同じように感じたと思います。大昔に読んだきりという方に、ぜひ再読していただきたい名作でした。

ロチェスターは完璧ではないどころか、むしろ欠点の多い中年男性です。しかしそんなロチェスターをジェインが自分の意志で選び取った、ジェインの人生を決めたのは彼女自身だったという点に、シャーロット・ブロンテの考える女性の生き方の理想や19世紀英国社会に対する憤りが透けて見えるようでした。

参加者の方のご感想の一部を以下に。
  • ジェインは強いように見えてもまだ10代でけなげな女の子。父親的存在を求めていたからロチェスターに惹かれた。
  • ジェインは意外と他者に取り込まれる、実は隙があってモテキャラ。
  • ロチェスターの良さとは? 外見の美に惑わされず、知的な交流を求めた。ジェインに対し「対等だ」と言い切ったのは新しい。
  • セント・ジョンは人の感情を認識できない、冷たい意志の塊だが、ジェインの分身的な存在でもある。
  • バーサやアデルに対する記述の冷たさに英国中心の考え方が表れている。
  • 身分の違いが人とのかかわり方を大きく変える社会の話。
  • ジェイン/シャーロットの情念がバーサを動かし、ロチェスターをジェインと対等の立場に引きずりおろしている。
参加者の方の今回のおすすめ本・話題になった本はこちら。


第9回の課題図書はテッド・チャン『息吹』、3月28日(土)15:30からの開催です。申し込みについては、こちらのブログで別途ご案内します。

ちいさな読書部第34回『老人と海』開催のお知らせ

日時:6月1日(土)15:30-17:30 場所:オンライン かつて読んだ人も、初めて読む人も。いま、歴史的名作を「新解釈」で! 老漁師サンティアーゴには、もう84日間も釣果がなかった。幼い頃から老人の見習いをしていたマノーリンは、一人前の漁師となったいまも老人を慕い、生活を気づ...