ちいさな読書部第6回『掃除婦のための手引き書』読書会は満席になりました

9月28日(土)『掃除婦のための手引き書』読書会は満席となりました。キャンセルが出た場合はTwitterアカウントからお知らせします。また、Peatixで「ちいさな読書部」をフォローすると、キャンセルが発生した場合に通知を受け取れます。

ちいさな読書部第6回『掃除婦のための手引き書』開催のお知らせ



日時:9月28日(土)15:30-17:30
場所:新宿のカフェ
費用:1000円程度

ちいさな読書部第6回は、ルシア・ベルリンの『掃除婦のための手引き書』を読む会です。

ルシア・ベルリンは、2013年にノーベル文学賞を受賞したアリス・マンローや、短篇の名手レイモンド・カーヴァー、日本で近年人気が高まっているリディア・デイヴィスなどの名だたる作家たちに影響を与えながら、寡作ゆえに一部のディープな文学ファンにのみその名を知られてきたアメリカの作家です(講談社の課題図書紹介ページより)。

ちいさな読書部管理人がルシア・ベルリンを初めて読んだのは、2017年発売の『早稲田文学増刊 女性号』でのことです。課題図書の表題作である「掃除婦のための手引き書」の主人公は、希死念慮につきまとわれながら掃除婦をして生きています。それにもかかわらず、語り手の中にじめじめした自己憐憫はありません。自らの在りようから目をそらさないでいること、悲しみの中にあってもユーモアを忘れずにいる態度に強く心を動かされました。今回単行本にまとめられた24編の中には、きっとだれかに感想を語りたくなる物語があるはずです。

課題図書以外に、最近読んで面白かった本、オールタイムベストの本など、読書部員に紹介したい本がありましたらぜひお持ちください。

費用は会場費と1ドリンク合わせて1000円程度の予定です。

読書会のあと、懇親会があります(予算5000円程度)。最近読んでよかった本、好きな作家などについてお話ししながらの夕食会です。参加の有無について、申し込みフォームでご指定ください。

お申し込みはPeatixで受け付けています。

お願い:本会は定員8名の小さな会ですので、無断欠席はもちろん、開催日間近のキャンセルは運営に響きます。開催日にご予定が入る可能性がある方は、読書会にご参加いただける見通しがついてからのお申し込みをお願いいたします。

ちいさな読書部第5回『カメラ・オブスクーラ』活動報告

今回の課題図書はウラジーミル・ナボコフ『カメラ・オブスクーラ』でした。


本書が単なるファム・ファタルものに収まっていないのはなぜか? クレッチマーの狂気、ホーンの体現する悪、マグダの美について、参加者全員で考えをめぐらす会になりました。

クレッチマーのマグダに対する欲望とホーンの戯画化への欲望は、どちらも社会一般の倫理とは相容れません。そのような誰にも理解されない欲望を追求した結果の滑稽な哀しみは、数十年後に書かれたナボコフの代表作『ロリータ』に反響しています。古めかしさを感じさせないストーリー、スピーディな展開、演劇のような視覚性の高い描写で読者を楽しませながら、登場人物たちに見えていること/見えていないことを考えさせずにおかないところは、実にナボコフらしい小説であるように思います。

参加者の方のご感想の一部を以下に。
  • ナボコフが意地悪
  • 好みではない小説なのに何度も読んでしまった
  • 貝澤訳はリズムが良い。川崎訳はエレガント
  • 赤の表現が物語の展開に合わせて変わっていく
  • 「ミューラー」が頻出するのはなぜか
  • クレッチマーに見えていたものは本当に美しかったのか
  • 登場人物が自分らしさを貫くところがよかった
  • クレッチマーとホーンが対照的、お互いに惹かれている
  • マグダはアンネリーザと違うから魅力的だったのでは
  • モルモットのチーピー=クレッチマー
参加者の方の今回のおすすめ本はこちら。


第6回の課題図書はルシア・ベルリン『掃除婦のための手引き書』、9月28日(土)15:30からの開催です。申し込みについては、こちらのブログで別途ご案内します。

ちいさな読書部第34回『老人と海』開催のお知らせ

日時:6月1日(土)15:30-17:30 場所:オンライン かつて読んだ人も、初めて読む人も。いま、歴史的名作を「新解釈」で! 老漁師サンティアーゴには、もう84日間も釣果がなかった。幼い頃から老人の見習いをしていたマノーリンは、一人前の漁師となったいまも老人を慕い、生活を気づ...