ポルトガルの独裁政権下で地下活動に関わり姿を消した女性イザベルをめぐる物語。リスボン、マカオ、スイスと舞台を移しつつ9人の証言者によって紡がれる謎の曼荼羅。
『インド夜想曲』『遠い水平線』の著者が遺した最後のミステリ
姿を消したひとりの女性の軌跡を辿りながら、語り部の現実と幻想の糸で織りなされる彩り豊かな曼荼羅の中を、私たちは旅をする。——ヤマザキマリ(漫画家)(河出書房新社の課題図書紹介ページより)
ちいさな読書部第11回は、アントニオ・タブッキの『イザベルに: ある曼荼羅』を読む会です。
タブッキ[1943-2012]は、現代イタリアを代表する作家です。「タブッキの小説は、虚構と現実が交錯する作品が多く、一見、時間の秩序を無視しているかにみえ」ますが、彼にとっては「小説において虚構を構築するという行為自体が、「時間」や「記憶」の探求という主題に向き合うこと」でした。(表彰文化論学会ニュースレター REPRE 30号 和田忠彦「タブッキをめぐる九つの断章」紹介ページより)
タブッキと言えば『レクイエム』を代表作として思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。7月の暑い午後にリスボンの街をさまよう男の物語を読み返すには、次回の読書会はちょうど良いタイミングなのですが、少々ひねって『レクイエム』の姉妹編といわれる『イザベルに: ある曼荼羅』を課題図書にしました。ミステリ仕立てなタブッキ最後の作品を、ゆっくり味わいたいと思います。
本会はZoomを使ってオンラインで実施します。接続方法についてはこちらを、Zoomの使い方についてはこちらをご覧ください。初めてセットアップする場合のテスト方法はこちら。
過去のオンライン読書会でわかったのですが、3人に1人ほどの割合で、お使いのデバイスの内蔵マイクが音声をうまく拾ってくれないようです。オンラインミーティングが初めてという方は、ヘッドセットやマイク付きイヤフォンのご利用をお勧めします。有線の製品なら1000円程度から入手できます。
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