本活動報告には課題図書の結末について触れる箇所がありますので、未読の方はご注意ください。
今回の課題図書はアトウッド『誓願』でした。
今回は、参加者のみなさんの多くが「おもしろかったけれどエンタメ度が高過ぎ」「ずいぶんエンタメに寄せているけれど面白かった」の間のどこかに感想が収まる会になりました。『侍女の物語』から35年を経て、#MeToo運動の興隆や米国トランプ政権下のバックラッシュなどにより時代状況が大きく変わったこと、ドラマ版『侍女の物語』後のアンサー小説であることが、本書の読み心地を前作と大きく変える要因になったようです。国家の崩壊過程や平民視点での描写など、もっと知りたい要素が省略されているという意見もあり、リーダビリティが高い分、書かれなかった多くの領域について欲求不満がつのる作品だったかもしれません。
参加者の方のコメントの一部を以下に。
- 地下鉄道などは現実世界に実際に起きたことを反映している。気づけるとよりおもしろい
- ディストピア小説ではあるが現実を反映している
- 地方の女の子が強いられる有象無象の制限に近いものを感じた
- 男性の登場人物がマンガのような単純な悪役だったので、読んでいて居心地の悪さを感じることがなかった(男性の参加者より)
- 最後がきれいに納まりすぎていて、ハリウッド映画のようだった
- エンタメでいくならもっと意外性が欲しい
参加者の今回のおすすめ・話題になった本はこちら。
第16回の課題図書はカフカ『訴訟』、5月29日(土)15:30からの開催です。申し込みについては、こちらのブログで別途ご案内します。
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