本活動報告には課題図書の結末について触れる箇所がありますので、未読の方はご注意ください。
今回の課題図書はブロンテ『嵐が丘』でした。
170年前に発表されてから世界中で読者を獲得してきた本書の魅力のひとつに、さまざまな解釈を可能にする開かれた作品であることが挙げられます。いままでの読書会では、ひとつの論点に対する意見がたいてい2、3種類に収斂することが多かったのですが、今回は参加者の数だけちがう読みがあり、古典のパワーを感じました。
「好きなキャラは?」という質問に対してとっさに意見が出ないくらい、登場人物すべてがアクが強い作品です。それなのに読むのをやめられない魅力が詰まった『嵐が丘』は、10年ごとに定期的に読書会をしても楽しめそうです。
参加者の方のコメントの一部を以下に。
- 本書を恋愛小説として読みましたか?という質問に
- 究極の恋愛小説、ヒースクリフが世界のどこにもキャシーを見てしまうのがせつない
- 10代で読んだがおとなになってもよくわからない
- むしろ肉親の愛なのでは
- 理性が効かなくなる、恋愛の醜い部分にフォーカスしている
- 愛というより執着。ただ恋愛は外から襲ってくるものであり、自分だけではどうしようもない
- 憧れる種類の恋愛ではないが、刺さる人には刺さる
- 恋愛小説だと思わずに最後まで読んだので、この質問に驚いた
- いい人がだれもいない、激しくてみんな嫌な人たち
- ヒースクリフが不器用で悲しかった。違うやり方が取れればキャサリンと幸せになれたのでは
- ネリーが重要で、本書の魅力は彼女の語りがあってこそ。彼女は主人公たちにかかわっていないようでかかわっている
- 穏やかにヒースクリフが旅立てたのはよかった
- ヘアトンはなぜ最終的にあんなに善良な人物になれたのか
- 現代日本人には理解しづらい階級の問題があった
参加者の今回のおすすめ・話題になった本・映像作品はこちら。
第15回の課題図書はアトウッド『誓願』、3月27日(土)15:30からの開催です。申し込みについては、こちらのブログで別途ご案内します。
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