本活動報告には課題図書の結末について触れる箇所がありますので、未読の方はご注意ください。
今回の課題図書は佐藤亜紀『バルタザールの遍歴』でした。
今回はふだんよりぐっと少ない人数での開催になりましたが、佐藤亜紀大好きという方にも今回の読書会をきっかけに初めて佐藤亜紀を読んだという方にもご参加いただき、議論が広がる2時間になりました。肌寒い秋の午後に豊かな時間を共有していただいた参加者の皆さんにお礼申し上げます。
双子たちの弱さは欠点ではあるけれど魅力でもありました。彼らを魅力的に感じるのはなぜなのか、自意識から解放されるための飲酒について、彼らの転落は終わったのか、それとも続くのか、自分が好き・嫌いであるということについて、などなど、いつにもましてじっくりお話しできました。
参加者の方のコメントの一部を以下に。
- 手記の意味は何か。
- 書いてあることが本当かどうかはわからない。
- 人生仕切り直しのための振り返りでは。
- 双子に比べ兄妹は異能を有効活用していたのが対照的。
- 双子には自分の不甲斐なさに耐えられない純粋さがあった。
- 貴族の誇りを失えない彼らは戦後をどのように生きただろうか(これについては転落し続けた、回復して幸せになった、と意見が割れました)。
- マグダと双子は秘密を共有していたから結びついていたのであって、仮に結婚していたとしても年月が経つうちにうまくいかなくなっていたのでは。
- クレールやパオラなど、行きずりの女たちが魅力的だった。
- 双子は建設的なヒモになれたのでは。
参加者の今回のおすすめ本・話題になった本はこちら。
第13回の課題図書はル・クレジオ『隔離の島』、11月28日(土)15:30からの開催です。申し込みについては、こちらのブログで別途ご案内します。
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