- SFというより一般文芸書として読んだ。
- いい意味でも悪い意味でも、倫理の教材に使えそうな作品が多い。
- 自由意志はあるのか、未来を変えられないなら人間には何ができるのかを考えさせられた。
- SFは人間を発見する読み物だと考えているが、テッド・チャンはそれを描くのが巧み。
- 大人になっても「神とは」「人間とは」といった根本的な問題に向き合うことができる。
- 思考実験の作品集。技術の向上で世界がよくなっても、それにはなにか負の側面があることに気づかされる。
- 表題作「息吹」はタイムリーに肺の話で少し怖かった。
- 「ソフトウェア・オブジェクトのライフサイクル」について:
- デレクは人間とAIは別物なことを理解しているのに、アナはAIを自分の子供のようにみなして毒親のようにふるまっている。
- アナはデレクの気持ちがわかっているはず。虫が良い。
ちいさな読書部第9回『息吹』活動報告
本活動報告には課題図書の結末について触れる箇所がありますので、未読の方はご注意ください。
今回の課題図書はテッド・チャン『息吹』でした。
SFを読みなれている方からするとまったく新奇なアイディアに溢れているというわけではなさそうな本作品集ですが、興奮からくる熱を吸い取ってくれるような静かな、それでいて冷たいわけではないチャンの文体のためでしょうか、何が人間を人間たらしめているのかという問いを、正面から受けとめたくなる正統派の一冊でした。
参加者の方のご感想の一部を以下に。
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