初めに課題図書について参加者の皆さんに一言感想をうかがったところ、「とにかく読みづらい」「読めば読むほどわからなくなる」「何を話せばいいのかわからない」と先行きの危ぶまれるフレーズが飛び交いましたが、終わってみれば2時間たっぷり『アレフ』について語り合う会になりました。ボルヘスといえば「無限」「永遠」がキーワードに挙げられますが、皆さんの受けた印象を共有してみると、不完全で限られた存在である人間の姿が浮かび上がる短篇集でもありました。
参加者の方のご感想の一部を以下に。
- 『伝奇集』より『アレフ』のほうがイメージが浮かぶので読みやすい
- 「エンマ・ツンツ」が好き。嫌な気持ちになりながらも、女性がやってのけるカタルシスがある
- 「アレフ」は、人間は忘れるから生きていける、失うから成功できるという話なのではないか
- 見えないものが本質であり、真実には到達できない
- 「アレフ」は、哲学と人間の日常が並列してただ置いてあるところが面白い
- 小説内の"アレフ"はゲームのアイテムのようで、現代的な短編だと感じた
- ボルヘスは任侠ものが好き
- 「ドイツ鎮魂曲」の語り手は狂人か否か、どうしたら我々は彼と対話できるか、考えさせられた
参加者の方の紹介本はこちら。毎月毎月新しい本が発売される中、古い本にはなかなか出会えないので、読まれた方に直接共有してもらえるのはありがたいですね。
第4回の課題図書はボフミル・フラバル『わたしは英国王に給仕した』、5月25日(土)15:30からの開催です。申し込みについては、こちらのブログで別途ご案内します。
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